【低コストで実現】今すぐできる倉庫の暑さ対策とは?

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夏本番、倉庫内の温度上昇に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。
特に断熱性能が低い古い倉庫や、空調設備のないフロアでは、作業環境の悪化や商品品質の
低下も懸念されます。
また労働安全衛生法の改正で2025年6月1日から、職場における熱中症対策が義務化され、
各事業者は熱中症の疑いがある作業者が出た場合の迅速な対処法をあらかじめ策定しなければならないなど
対応に追われることになります。
倉庫の自動化も推進されている中で作業員は減っていく傾向にはありますが、人命に関わることなので、
コンプライアンス的にもできる限りより良い作業環境を提供したいと思っている企業も多いはずです。
しかし「設備投資にかける予算が限られている…」というお悩みも当然あると思います。
そこで今回は、低コストで実践できる倉庫の暑さ対策をいくつかご紹介します。

1. 扇風機+サーキュレーターで空気を動かす
冷房設備がない場合でも、空気を循環させることで体感温度を下げる効果が期待できます。
特に平屋低床の古い倉庫では金属折板屋根の場合が多く、空調を設置していても効果が少なかったり、
シャッターや窓を開けて作業したりすると、地面や天井からの熱気が直に伝わって来るので、
余計に熱く感じたりします。
その場合は天井に向けてサーキュレーターを設置し、熱気を上へ逃がして換気扇で外へ排出する工夫が
有効です。
また、出入口付近に大型扇風機を設置することで、外気との通気を促し、空気が滞留しない環境をつくれます。
一方で昨今のマルチ型物流施設では大型のシーリングファンを天井に設置して上部に滞留した熱気や湿気を
下へ逃がし、下に溜まっている比較的冷たい空気を上に引き上げることで空気循環を促し、
温度差を解消させる方法も採用されています。

2. 遮熱シートや断熱カーテンの活用
屋根からの輻射熱を防ぐには、遮熱シートや銀色の反射カーテンを天井裏や窓際に設置するのが効果的です。
ネット通販でも手頃な価格で入手可能で、取付けも比較的簡単なものもあるので特に南側の壁や屋根は
日射の影響を強く受けるため、重点的に施工しましょう。

3. 打ち水の応用「床冷却」
倉庫前の床がコンクリートやアスファルトの場合、昼間に蓄えた熱が夜まで残ることがあります。
そこでおすすめなのが「打ち水」です。倉庫前のコンクリートやアスファルト部分に水をまくことで、
気化熱の作用により地表温度を下げ、周囲の体感温度をやや和らげる効果が見込めます。
くれぐれも水のまきすぎで水溜まりができて足元が悪くなりケガの要因になったり、
排水されず商品を濡らしてしまわないよう注意して行いましょう。

4. 空調服やネッククーラー等の着用
広い倉庫では空調の冷気や扇風機等の風を倉庫全体へ行き渡らせるのは費用もかさみ、高い効果が得られるとは
限りません。
そんな時は、作業者に直接体感させられる数千円から購入できるミニ空調付の作業服や100均などでも手に入る
ネッククーラー等を利用するのがおすすめです。
作業場所によっては、空調が効いていない場所があったりするので、そういった場合は、常に携帯できるタイプが効率的です。ただし、長時間の作業で効果が薄れていくため、予備のバッテリーや交換できるストックは
余分に用意した方が無難です。

5. 作業時間の工夫と休憩所の設置
直接的な設備投資が難しい場合は、作業時間の見直しも立派な対策です。午前中の涼しい時間帯に作業を
集中させ、午後は軽作業や事務業務へ切り替える運用も効果的です。また、簡易テント+ポータブル冷風機で
作った休憩スペース
を設ければ、従業員の熱中症対策にも繋がります。
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最後に
倉庫の暑さ対策は「高コスト=効果的」とは限りません。身近な工夫やちょっとしたアイテムの導入でも、
体感温度は大きく変わります。大切なのは、「暑さを溜めない・こもらせない・逃がす」ことです。
無理なく実行できる方法から始めて、少しずつ改善していきましょう。
                                          矢野