宅建士登録実務講習

  • 宅建士登録実務講習
昨年、恥ずかしながら6度目の受験でようやく宅地建物取引士資格試験に合格することができました。
毎年20万人以上が受験しており、一昨年からはコロナ禍で密を避ける対策として10月と12月に試験日を分けて実施されております。
受験会場の希望はいくつか出せますが、試験日は希望通りに選べるわけではなく、大半は10月に受験し、
都道府県や受験会場によって12月の受験者がいるようです。
試験に合格したからといって直ぐに宅建士証が発行され、重要事項説明を行うことができるわけでは
ありません。
試験合格後1年以内であれば、法定講習を受けることなく登録申請できるのですが、
申請時点で不動産業の実務経験が2年以上あること、欠格事由に該当していないことなどが条件になります。
実務経験が足りない場合は、宅建士の登録実務講習を修了する必要があります。
この修了証と試験の合格証を提出することで宅建士資格登録申請をすることができるのです。
今回は実際に受けてきた登録実務講習について話したいと思います。



先日、都内某所で宅建士の登録実務講習を受講してまいりました。
2年以上の実務経験があれば受講の必要はなかったのですが、実務内容が要件を満たしていなかった為、
国土交通省より認定を受けた機関で実施されている講習を受けました。
講習で使用するテキスト等が事前に届いていたのでweb講義や正誤問題の確認テストをやって
スクーリングまでに学習しておきました。
3冊くらいテキストがあり、法令関係や実務の流れが書かれたもの、公図や登記事項証明書など
演習問題を解くのに必要な参考資料が掲載されているもの、事例に則って、契約書や重要事項説明書を
どのように作成していくかなどの内容が掲載されたものでした。

スクーリングは2日間(のべ12時間程度)の実施で朝から夕方まで終日行なわれます。
メインは重要事項説明書、売買契約書の作成を演習でやっていくというもので別途演習用のノートが配布されて実際に書類を作成するような感覚で進行していきました。
使用する資料が揃っている分作成も淡々と進みましたが、実際は現地に行って調査したり、
役所や行政へ書類を取りに行ったり、売主や買主の要望を正確に把握してトラブルにならないよう
慎重に進める必要があります。
些細なことでも事前に確認を怠ったことで裁判沙汰にまで発展するケースが少なからずあるからです。

講義中に修了試験で出題されるような重要な箇所は適宜指示があるので集中して
聴き逃さないようにしていました。
2日目の最後には修了試験(60分)が行なわれ、正誤問題と記述(穴埋め)問題各30問ずつを解いて
それぞれ8割以上の得点で修了証が発行されます。
比較的集中して講義を聴けたこともあり、後日結果通知と一緒に修了証が同封されて届きました。

これでようやく宅建士として活動できると思っておりましたが、まだ重説はできません。
まえがきに記載したとおり、合格証と修了証のほか、登録申請書、誓約書、身分証明書、
登記されていないことの証明書、住民票、顔写真(1枚)、従業者証明書、登録手数料、本人確認書類、
未成年者の方は法定代理人の許可書等を全て用意して都道府県知事に申請をする必要があります。
この書類を用意するだけでも結構手間が掛かり、費用(登録手数料37,000円等)も掛かります。
個人負担の場合かなりきついです・・

さらにやっと申請が終わっても登録完了通知が届くまでに30日~40日程度かかり、通知が届いたら
宅建士証の交付申請をしなければ資格証の携帯ができないのでまだ重説はできないということになります。

宅建士証の交付申請もまた宅建士証交付申請書、顔写真2枚、登録通知書(はがき)、
交付申請手数料(4,500円)が必要になります。
現在はコロナ禍ということもあり窓口が制限されたりしておりますが、
宅建士証の交付は窓口申請(東京都等)であれば即日発行されるようです。
私も先日宅建士登録申請書を提出したので登録完了通知が届いたら宅建士証の交付申請をして名刺に肩書きとして入れたいと思います!

                                            青木

あとがき
宅建試験の合格率は毎年15%~17%程度の範囲で合格点が決められています。
一昨年から新型コロナウイルスが流行して以来、テレワークや休校で在宅時間が増えた関係で勉強に集中できた結果、受験者数の正答率(知識レベル)が上がっているように思いました。
昨年の10月の試験は34点と一昨年に比べて合格点が4点低かった(試験内容が難しくなった)にもかかわらず、合格率がほぼ17%台で同率でした。
これはおそらく一昨年は在宅時間が増えて、外出中の時間を勉強時間にあてられた為、
個数問題や引っ掛け問題で振るい落とされる受験生が減ったことで合格点が上がり、
昨年はその対策として試験問題を難しくしたと考えられます。
私はコロナ禍でも基本的には毎日出社しておりましたので、あまりがっつり家で勉強はできませんでした。

そこで活用したのが、You-Tubeの学習動画です。
平日は1本10分程度の動画を毎日のようにいくつも観て勉強しました。
覚え歌の暗記や一問一答で繰り返し頭にたたきこんで運転中やお風呂に入りながら口ずさんだりして
忘れないようにしていました。
休日は買ってきた予想問題集を近くのファミレスでひたすら解いて時間配分の感覚と出題傾向、
引っ掛けのパターンを覚えました。

宅建試験のような年1回の実施だと失敗したときのダメージが大きく私自身何度も落ち込んだり、
やる気を削がれたりしてきました。精神面も必要な試験だと思ってます。
モチベーションを一年間維持するのはかなり大変です。最初からガツガツ問題を解いていくのでは長続きしないと思うので、まずは聞くだけで理解できるようなことから始めるのが良いかと思います。
視聴していた動画の中でも言ってましたが、社会人は学生と同じような勉強方法でやってはいけません。
隙間時間を上手く利用しなければならず、私は実践しませんでしたが、参考書は読みながら勉強するのではなく音読して録音したものを通勤時間にイヤホンで聴いたり、学習時間のプランを組み立てて毎日10分程度でも
習慣化させて覚えた知識を忘れさせないようにする必要があります。
会社で宅建士の資格が必要な方はかなりプレッシャーをかけられているかと思いますが、まずは軽い気持ちでYou-Tubeからスタートしてみてはいかがでしょうか。