<第9回>「昔話から学べる仕事の在り方③」

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2016年も早4ヶ月が経ちまして、4月は入社式や入学式で新しい生活がスタートしたりするなど変化が
激しい時期でもありますが、皆さんはどのようなイベントがありましたでしょうか。
さて、オリンピックイヤーでもある今年はたくさんのアスリート達がオリンピック出場を目標に一生懸命練習やトレーニングをしてきたと思います。
一方でロシアの組織的なドーピング問題や国内選手の賭博関与問題等で目標を失った方もいました。
1度失った信頼を回復するには長い期間が必要となるでしょう。より一層努力を積み重ねるか、それとも挫折してしまうのかでその人の選手生命が大きく変わってくるかと思います。
会社でも同様に、事業継続するにあたり様々な問題や困難な状況を乗り越えて成長、発展していくものであり
ますが、大事な局面をどう乗り越えていくかは全社員の気持ちを1つにして頑張っていかなければなりません。
弊社もあと数年で創立70周年を迎えます。
1人の力ではどうにもならない問題もありますが、私にできることを精一杯やって会社に貢献していこうと
思っている今日この頃です。
それでは「昔話から学べる仕事の在り方③」について話していこうと思います。




今回は三太郎シリーズ最後になります「浦島太郎」から学びます。
まずはあらすじからお話し致します。

浦島太郎という漁師がある日、浜辺を歩いていると子供たちがカメをいじめている光景を目の当たりに
しました。
カメを助けた浦島太郎はお礼として竜宮城へと招待されました。そこで乙姫から大層なおもてなしを受ける
日々を過ごしていきました。
しばらくして浦島太郎が帰ろうとすると、乙姫から玉手箱を受け取り、竜宮城を後にしました。
カメに連れられ浜辺に到着すると、周囲の光景の異変に気づき、知人や家族が誰もいなくなっていることに
気が付きます。
竜宮城でおもてなしを受けている間に地上では何百年もの歳月が経っており、途方に暮れている浦島太郎は、
乙姫から受け取った玉手箱のことを思い出し中身を確認しようと開けてみると、中から煙がもくもくと出てきて煙を浴びた浦島太郎はたちまちおじいさんの姿に変わってしまったというおはなしです。

結末は諸説ありますが、乙姫から絶対開けてはいけないと言われていたにもかかわらず約束を守らなかった
罰として姿を変えられてしまったというパターンや、はたまた実は助けたカメは乙姫本人で玉手箱を開けると
浦島太郎は鶴の姿となって、乙姫と再会し縁起の良い動物同士末永く寄り添って暮らしていくことができましたといったパターンもあり、昔話としては何とも腑に落ちないストーリーでした。

ではこのおはなしを仕事に置き換えてみますと、一企業の事業にまつわるお話になります。
あるとき、1つの大きな事業を受注しようと同業他社がコンペで競い合うことになりました。
各社様々な案を出していた中、そこに突如現れた他業種の企業が斬新なアイデアを繰り出し、
あっさりと事業受注に成功しました。
莫大な利益を生み出すことに成功したこの企業は何年も安泰な経営状態を維持することができました。

しかし、周囲の状況、経済の動向を鑑みず疎かにした結果、たちまちこの企業は経営破綻へと追い込まれて
しまいましたというような結末です。
こういったケースに陥りやすい企業は新規事業に参入しようとする大企業やまだ十分に組織化されていない
ベンチャー企業にありがちです。

大企業の場合、潤沢な資金や豊富な人材を有していることから次々と投資をしてしまい、結果的に経費が
掛かって撤退してしまうケースに陥ります。損失の規模によっては、社員の早期退職を募ったり人員削減を
余儀なくされることになります。
またM&Aなどにより経営権を譲ることになればリストラといった整理解雇もあり得ます。
経営動向や周囲の環境への対応に重点を置きすぎてしまったが為に内部の対応が疎かになってしまうのです。

一方でベンチャー企業の場合、まだ強固な組織は形成されてはいないものの、内部の状況(経営方針や
目標設定)に関してはしっかりとしたものがあるので、的確な方向へ進むことが可能です。
しかし、新規事業を起ち上げるにはそれなりの資金が必要になってしまうので、資金やコネクションが
十分でないと資金難に陥り積極的な投資ができなくなり、途中で挫折・撤退してしまうことになります。

新規事業を始めたからといってすぐに利益が出るような事業は稀なので、企業内外の環境を常に理解した上で
先取りした行動を起こし、継続して行なえるか
が新規事業成功へと繋がるキーポイントと言えるでしょう。

また別の視点から浦島太郎のはなしを考えると、一強他弱状態が続いてしまうとライバル企業がいなくなり
競争意欲も無くなって、いずれその事業も陳腐化していってしまうとも考えられます。
新規事業を成功させることは企業努力の賜物ではありますが、その事業の将来の可能性を潰すことにもなり兼ねますので、事業継続するには競合他社の存在も忘れてはいけません。

また事業の陳腐化・企業の老朽化を防ぐ為には時代に合ったサービスや商品をお客様へ供給する「外的改善」や業務を効率化し、適当な人員を配置する「内的改善」が必要になります。

「三太郎シリーズ」のまとめにはなりますが、リーダーシップを発揮し最前線で的確な指揮を執る「桃太郎」のもとで将来有望の「金太郎」のような人材を配置し、カメを助けたことで大層なおもてなしを受けることが
できた「浦島太郎」のような強運を持つことが新規事業を成功させるために不可欠な三要素
と言えるでしょう。
                                             青木 

あとがき

入社して4年が経ち4月で入社5年目を迎え今年が節目の年になるということで勝手ではございますが
私なりに今年の目標を掲げたいと思います。それはズバリ「宅建士資格試験合格」です。
昨年のリベンジになりますが、今年はたくさん勉強して合格できるように頑張りたいと思います。
「昔話から学べるシリーズ」は一旦終わりとしまして、次回は話題になりそうなものを考えておりますので、
どうぞよろしくお願いします。